建設機械を知ろう         ②モーターグレーダー

 モーターグレーダーとは整地用途に使用される建設機械です。

とても大きく迫力のある車体です。

主に道路工事で道路を平らにする整地作業(地ならし)に使用される建機です。

この機械を運転するには、「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)」

の資格が必要となります。

道路工事に従事していない限りは、運転することはまず無いであろうかと思います。



◆モーターグレーダーの特徴

 地面の整地や勾配の調整(グレーディング)を目的とした、道路工事で活躍する機械です。

特徴を以下に説明致します。



1. 中央にブレード(排土板)を持つ構造

 車体の中央部に長いブレード(約3m)が取り付けられており、これを上下・左右・角度調整

 しながら土を削ったり、路盤の整地、法面の切削や溝堀、除雪なども可能です。


2. 高い精度の整地能力

 他の整地機械(例:ブルドーザー)と比べて、より細かい勾配調整や平坦化が可能です。

 ブレードの高さや角度を細かく調整でき、精度の高い整地作業が可能です。

 地盤がしっかりと平らに整っていないと舗装がひび割れたり、

 沈下したりする原因になります。

 正確で均一な整地により、雨水の排水性も良くなり、

 道路の耐久性を高めて劣化を防げます。


3. 走行装置は主にタイヤ式

 機動性が高く、広範囲を効率的に作業できます。

 一般道も自走で移動可能(大型特殊免許が必要)なタイプが多いです。


4. 3Dマシンコントロール

 モーターグレーダーの操作は、走行、ステアリング、作業機の微操作を同時に行うため、

 高度な運転技術を要します。しかし、3Dマシンコントロールシステムの登場により、

 自動制御によって高い施工品質を維持出来るようになりました。


5. ブルドーザーとの違い

 ブルドーザーは、ブレードを地面に押し当てて地面を動かすのに対し、

 モーターグレーダーはブレードを引いて地面を平らにします。



◆モーターグレーダーのMC

 ブルドーザーと同様にモーターグレーダーにもICT技術が活用されています。

 弊社では1番活用しているのが、モーターグレーダーによるICT施工です。

 ブルドーザーと同じように、ブレード(排土板)の高さや傾斜を自動制御する

 システムであり、主に以下の特徴があります。



1. 車体やブレードの姿勢を常に検出

 GNSSもしくはトータルステーション(TS)により、モーターグレーダーの現在地を

 リアルタイムで取得しています。センサーでブレードの傾きを補正し、

 ・RTK-GNSS(GPSより高精度)では誤差、±2cm程度

 ・TSでは誤差、±1~3mm程度と高精度

 であり、弊社でも主にTSを利用して施工をしております。


2. 自動制御でブレードが設計通りに動く

 オペレーターは方向や速度を調整するだけで施工可能です。

 ただし、事前に行った測量を元に、CADなどによって設計面を作成する必要があります。

 作成した設計を機械にインポートするだけで、設計通りに後は動いてくれます。

 なので、設計面の正確な作成がとても重要になってきます。


3.リアルタイムで施工精度をフィードバック

 過不足の土量や施工高低差をリアルタイムで表示してくるので、無駄な搬入、搬出

 を減らせます。

 精密な作業が出来るために、手直しがとても少なくなり、

 施工時間の短縮や、コスト削減につながります。

 



◆まとめ

 いかがでしたでしょうか。


モーターグレーダーとは地面を平らにする作業に特化した建設機械です。

ブルドーザーや他の重機では難しいミリ単位の調整が可能です。

これにより、舗装の均一性が向上し、走行時の快適性や安全性が高まります。

整地だけでなく、除雪や農道整備、災害復旧など多分野で活用可能であり、


インフラの品質と安全性を根本から支える重要な存在


であります。




あと2週間で暦上は入梅の時期となりました。

舗装業界にとっては天敵とも言える雨の季節です。

気温や湿度も高まり、熱中症対策をしっかりと行っていこうと思います。


皆様も体調管理にはお気をつけ下さい。



皆様が安心、安全に道路を使用でき、快適な生活を送れるよう

日々精進していきたいと思っております。



株式会社 弘和道路