道路の舗装工事は全国で行われており、私たちの日常生活を支えています。
特に弊社(株)弘和道路があります栃木県では、人口あたりの自動車保有台数が全国2位と全国有数の車社会です。(全国平均493台 栃木県699台 2021年)
人や自動車が安全・快適に通行出来るための工事が舗装工事です。
道路下には上下水道管やガス管といった設備が設置してあります。
情報通信の光ファイバーなども道路下を通っています。
綺麗な道路で街並みの景観を保つことも重要です。
道路は日々、自動車の荷重に加えて雨や雪にさらされたりもするため、
劣化損傷のしにくい耐久のある性能を求められています。
舗装工事は主に以下の3つで行われています。
①公道 ・国道・都道府県道・市区町村道・高速道路
②私道 ・民有地内の道路
③駐車場・公共や民間施設の駐車場、住宅の駐車場
どれもが私たちの生活に係わるものばかりです。
道路工事とは最も身近で重要な工事だという事が分かって頂けると思います。
舗装工事の種類
舗装工事の種類は、【アスファルト舗装】【コンクリート舗装】【特殊舗装】の3種類があります。
【アスファルト舗装】
アスファルトに骨材(砕石、砂など)を混入して加熱し、基層の上に敷均し、
ローラー転圧を行う舗装です。
現在の日本の道路はほとんどがこのアスファルト舗装です。
国土交通省によると日本では90%を超える割合で利用されています。
◆アスファルト舗装のメリット
では、何故ここまで多く使われているのでしょうか。
アスファルトは粘性が高く、熱を加えると簡単に柔らかくなり
冷えれば直ぐに固まるという性質があります。
施工後道路として早く通行が出来るようになります。
その他にも、
・工事期間が短い ・工事費用が安く経済的 ・簡易的な補修が可能
・防水、透水性に優れている ・車の走行時の騒音が少ない
などがあります。
◆アスファルト舗装のデメリット
アスファルト舗装には様々なメリットがある一方で、以下のデメリットがあります。
・耐熱、耐久性に劣る
柔らかい特徴がある分、大きな重量がかかる場所に適さない
熱をためやすい性質があるため、夏場は高温になりやすい
・定期的な補修が必要
交通量によるがコンクリート舗装に比べると寿命が短い
・原油価格に影響
昨今の原油価格の高騰は建設業界に大きなダメージを与えています。
アスファルトは原油を蒸留して得られるので主となる原材料です。
以上のようにアスファルト舗装のデメリットは、耐久面やメンテナンス費用、
原油高による材料費の高騰となります。
【コンクリート舗装】
セメントや水、砂(細骨材)、石(粗骨材)を混入して造るコンクリートを基層の上に敷均し、養生をして強度を高める舗装です。
コンクリート舗装はトンネルや橋、身近な所だとガソリンスタンドに利用されています。
これは、耐荷力に加え耐油性の特徴も備えているからです。
◆コンクリート舗装のメリット
圧縮強度が高く、劣化しにくい特徴があり長い期間大規模な補修が不要です。
セメントが国内調達可能で、価格も安定していることもメリットです。
その他にも、
・耐熱性が高い ・耐荷力が高く堅くて頑丈
・夏場でも温度が上がりにくい(アスファルトに比べて10度ほど低い)
などがあります。
◆コンクリート舗装のデメリット
一見アスファルト舗装よりも優れているように思いますがコンクリート舗装
には大きなデメリットが存在します。
・施工に時間がかかる
コンクリート施工には大掛かりな機器が必要で、施工に取り掛かるまでに
時間を要します。
加えて、固まるまでの時間も長いため、新設道路ならまだ良いですが既存
の道路の補修となると問題です。
通行が可能になるまで時間がかかり、交通規制期間が長くなります。
・費用が高い
昨今の原油高の影響もあり、差は小さくなってきていますが依然として
アスファルトの方が安価です。
大掛かりな機器が必要と言うことは施工費用も高く付いてしまいます。
・騒音が発生する
コンクリートは温度の変化による伸縮に備えて、適切な間隔で継目を作り
ます。この継目が振動、騒音の原因となります。
以上のように高い耐久性がメリットではありますが、大きなデメリットが存在します。さらに、この高い耐久性が作り直しを難しくさせ、追加工事や修繕に対しては却ってデメリットとなってしまいます。
【特殊舗装】
特殊舗装とは道路の目的に沿って表層部分を特殊な舗装にします。
簡単に身近な例を挙げてみたいと思います。
・カラー舗装
基本的には着色されただけなので、機能的には通常のアスファルト舗装と
変わりありません。
バスレーンや公園の遊歩道など注意を促すため、パッと目に付く印象を与え
る効果があります。赤系統のカラーが多い印象です。
障碍者用の駐車場や車線の多い道路では青系統の着色が多いですね。
最近では自転車の通行レーンでよく見かけるようになったと思います。
・排水性舗装
水を下層で遮断し、排水溝に流すための特殊舗装です。
雨水を速やかに路面下に浸透させるため、走行性や視認性が向上します。
加えて、タイヤ路面騒音の低減効果もあります。
透水性のポーラスアスファルト混合物を表層に用います。
・透水性舗装
水は下層を通過し、地下に浸透させるための特殊舗装です。
路床へ浸透させるので地下水涵養効果があり、植生等の保全効果がありま
す。雨水の流出も抑制するため、快適な歩行、走行性を得られます。
これら以外にもまだまだたくさんの特殊舗装があります。
舗装工事の目的
日々の生活の基盤を支えるための工事です
インフラは ・最初に整備すること ・その機能を維持し続けること
日本が先進国としていられるのは、この充実したインフラの整備も大きいと
考えられます。
・泥沼化や粉塵の防止
舗装されていない道路を通行すると、降雨後など地面が荒らされ泥沼化
します。また、乾燥する季節には粉塵が舞い上がり、安全面や健康面に
影響を及ぼします。
舗装工事を行うことで、季節や天候の影響を受けにくくなり快適に過ご
すことが出来ます。
・安全性の向上
路面を平坦にし、適切な摩耗抵抗を持たせることにより、車両通行時や
歩行時に快適性や安全性を向上させます。
凸凹していたら歩きにくいですし、転びやすい。車両もタイヤを取られ
る恐れがあります。事故や怪我を減らすために大切なことです。
・景観の維持
上記で挙げた泥沼化や粉塵による汚れは見た目に大きな悪影響を及ぼし
ます。舗装された道路は美しい街並み、次世代の子供たちにも引き継い
でいきたい景観の維持として地域への貢献となります。
舗装工事とはまとめ
簡単ではありますが舗装工事とはどういったものか、目的や役割、我々の
日常生活にとっての重要性を理解して頂けたと思います。
電線や水道管、もちろん道路にも寿命があります。昨今では災害に備えて
地震や水害の対策も行っております。
私たち建設に従事する者にとっては日々、地域住民の皆様のご協力によっ
て支えられています。
通行止めなどの道路規制や騒音、振動でご迷惑もかけることがあると思い
ますがご理解頂き感謝の気持ちでいっぱいです。
皆様にとって住みよい街、快適な街作りにこれからも頑張っていきたいと
思います。
株式会社 弘和道路