寒くなってきたなと思えばまた暑くなったりと、服装に困る日々です。
朝晩寒く日中は暑いという、寒暖差も大変です。
みなさまも体調管理にお気をつけ下さいませ。
さて、今回はアスファルトってそもそも何なの…?
という疑問にお答えできればと思います。
砂でもない、土でもない、石でもない、砂利でもない…何なの!?
毎日目にしている当たり前の存在に気を掛けてみたいと思います。
◆瀝青材
瀝青材とは道路を作る際の材料の一つです。
常温では固体、加熱すると徐々に液体化する性質があります。
道路表面のアスファルトという物質はどのようにして作られているか
ご存じでしょうか。
そもそも原材料は何なのか。
少し解説させていただければと思います。
◆アスファルトの原材料は原油
アスファルトは原油を精製する過程で作られているものです。
原油を精製するとき、皆さんもご存じのガソリンや灯油など揮発性の高い
軽油類が先に抽出されます。
その後粘り気のある液状の重油が抽出され、最後に残ったものが
アスファルトです。
実際に道路舗装などに使われているアスファルトは粗骨材や細骨材などを混ぜた、
アスファルト混合物を使用しています。
これは、交通の安全性や快適性、変形防止にも大いに係わってきます。
このアスファルトを、乳化剤が含まれた液体の中に微粒子状に分散させ、
乳化させることで出来るのがアスファルト乳剤です。
◆アスファルト乳剤
一般的には聞き慣れない言葉だと思います。
乳剤という字面からして乳製品を連想してしまいますが、道路舗装には欠かせない
必須の舗装材です。
アスファルトというのは加熱して液状にして使用されますが、常温で取り扱えるように
したものをアスファルト乳剤と言います。
主にプライムコートやタックコートなどに使用されています。
◆プライムコート
上層路盤の表面にアスファルト乳剤(PK-3)を散布します。
散布にはアスファルトディストリビュータもしくはエンジンスプレーヤを
用います。
◇アスファルトディストリビュータ
トラックにアスファルトタンクと散布装置を搭載し、車体後部に取り付けた
スプレーノズルで路面状に散布します。
◇エンジンスプレーヤ
小型の建設機械で、小規模・中規模散布に向いています。
リヤカータイプや、機動に優れた台車タイプがあります。
直接乳剤の入ったドラム缶にホースを繋げ、ノズルより散布します。
プライムコートを行う目的は以下の通りです。
① 路盤表面の強化(破損や降雨による洗掘の防止)
② 雨水の浸水防止及び路盤からの毛管水上昇遮断(土の隙間に溜まった水が毛管水)
③ アスファルト混合物との接着性確保
◆タックコート
新たに舗設するアスファルト混合物層(表層)と基層、
もしくは付帯構造物(照明灯やカーブミラーなど)および継目部との付着を良くする目的で
行います。
設計上、道路の強度とは関係ないのですが耐久性に大きく影響することが
分かっています。
◆アスファルトの歴史は深い
現在では道路舗装など身の回りの多くの場所で使用されていますが、
古来より接着剤、防水材として利用されてきました。
実は原油からの精製以外にも、天然アスファルトというものが存在します。
自然に存在する原油の軽質原油分が蒸発して残ったものと考えられています。
なんと!その歴史は縄文時代まで遡り、接着剤として天然アスファルトが
使用されていたことが分かっています。
日本では青森県や秋田県などの遺跡から、天然アスファルトが付着した矢尻や
天然アスファルトで補修された土器や土偶が多数、出土されています。
人類の歴史と関わりが深いのはとても感慨深いものがあります。
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
普段何気なく歩いている道路も、たくさんの技術者によって作られています。
アスファルトって原油なんだ!と知って頂けたかと思います。
昨今の原油高はこの業界にとってもかなりの痛手であり、皆苦労しているんだなと
ご理解いただけるかと思います。
日本はG7に加盟する先進7カ国の一員です。
その国のインフラが滞っているようでは途上国のモデルにもなれず、役目を果たせて
いないのと同じです。
インフラの整備は、それほど重要なものと捉えております。
道路の下には電気やガス、光ケーブルも通っていて、最終的に私たち舗装業者が
舗装道路を作成しています。
輸送のためや全ての人の交通手段を担っていると、誇りある職業だと自信を持って
言えます。
ひとえに、毎度工事のために地域住民の皆様や、普段の生活で道路を使用されている
皆様にご協力頂いているからこその結果だと思っております。
日々、とても感謝をしております。
これからも精進して参ります。
株式会社 弘和道路