7月22日、気象庁より関東地方の梅雨明けが発表されました。
工事現場において雨は大敵なので、日々の工程調整の不安からやっと解放された気分です。
・・・しかしながら、梅雨明けということは夏本番ということです。
建設業界では例年、熱中症が多数発生しており、重篤化して死亡に至る事もあります。
建設業では、昨年令和4年度に172件の熱中症が発生しております。
幾つかの事例で、熱中症予防のための労働衛生教育を行っておらず、発症時、
緊急時の措置が適切になされていませんでした。
熱中症は、いつでもどこでもだれでも発症する危険性があります。
正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことが可能ですので
必ず労働衛生教育を行っていきましょう。
まず、熱中症に対して特に注意が必要な時期があります。
・5月の暑い日 ・梅雨の晴れ間 ・梅雨明け ・お盆明け
特に発症しやすい時期と言われています。
9月も残暑の厳しい年もありますから、年間を通して5ヶ月は注意が必要と言うことです。
なので、シーズンを通して酷暑に負けない体作りが必要です!
日常的な体づくり
①水分をこまめに取ろう
喉が渇いていなくてもこまめに取ることが重要です。
②塩分を程よく取ろう
過度に取る必要はありません。
毎日の食事を通して程よく塩分を取り、大量に汗をかくときは
塩飴や塩タブレットなど摂取しやすいもので取ると楽です。
③十分な睡眠時間を取ろう
寝不足は現場作業をする者にとって大敵です。
睡眠の質もとても大事で、エアコンや扇風機を使って快適な睡眠環境を
整えましょう。
④前日のアルコールの取り過ぎに注意
夏はビールの美味しい季節です。飲み過ぎてしまうこともあると思います。
二日酔いは熱中症を発症しやすくなります。
アルコールは非常に強い利尿作用があり、翌朝脱水状態になっている場合
があります。
熱中症を発生しやすい人
熱中症は労働者の体調が大きく関係します。
労働安全衛生責任者、そして労働者自らが体調を認識することが大切です。
①朝礼時にチェック(熱中症にかかりやすい人)
1.これまで熱中症にかかったことがある
2.高血圧である
3.肥満である
4.風邪を引いて熱がある
5.下痢をしている
6.二日酔いである
7.朝食を食べていない
8.寝不足である
9.高齢者(65歳以上)である。
10.心筋梗塞、狭心症などにかかったことがある。
以上が熱中症にかかりやすい人の特徴です。
必ず朝礼時にチェックし職長とともに素早い対応を心掛けましょう。
熱中症の恐れがある人
②休憩時にチェック(熱中症の恐れがある人)
危険度1
1.めまい、立ちくらみがする(軽い)
2.汗を拭いてもどんどん出てくる
3.手足など筋肉がつる
危険度2
1.頭痛がする(強めにズキズキと)
2.吐き気がする
3.体がだるい
4.判断力、集中力が低下する
危険度3
1.まっすぐ歩けない
2.体温が高い
3.痙攣がする
4.呼びかけに反応していない
5.意識がない
危険度1が反応した時点で、危険度2、3になる恐れがあります。
そうなる前に適切な対応をしましょう。
熱中症に対する準備
真夏の工事現場では事前にしっかりと準備をしておきましょう。
作業しやすい環境を整える
快適に作業できるよう、以下の準備をしておきましょう。
①スポーツドリンク等吸収の良い飲み物
②塩飴やタブレットなどの塩分
③経口補水液
④空調の効いた休憩所、又は車両など
⑤体を冷やすための冷却グッズ(リンパを冷やせる保冷剤など)
⑥空調服の活用
他にも、大型扇風機やスポットクーラー、ミストファンなどの導入を
検討してみるのも良いかと思います。
無理のない作業時間を心掛ける
大前提として、夏場は作業時間を短くしたり、休憩を多めに取ったりと
いった、作業員の負担を軽減するために時間の余裕が必要です。
①休憩の間隔をより短めに
普段が2時間おきに休憩を設定しているなら、1時間ごとに変更して
みましょう。
②休憩時間を長めに
こちらも普段が15分だとするならば30分にするなど工夫をして
いきましょう。
工期や工程管理が原因で休憩を増やしにくい場合は、早出を増やし
暑さのピークを避け、早い時間に現場を切り上げられるようにすると良いでしょう。
終わりに
夏の工事現場では、熱中症対策は必須です。
休憩をこまめに設け、水分、塩分の補給はもちろん普段の身体作りが重要な
対策です。
弊社は舗装業中心のため、日々アスファルト合材の熱でサウナ状態です。
(合材は出荷時200℃ほど有り、現場到着後も夏場はほぼ下がりません)
猛暑の中、現場作業をされている方々には頭が下がる思いです。
工事現場近隣の方々から、『暑い中ご苦労様』の労いの一言に、とても力を頂いております。
皆様が安心、安全に道路を使用でき、快適な生活を送れるよう
日々精進していきたいと思っております。
株式会社 弘和道路